ペルソナ5は素晴らしいゲームだった

ペルソナと出会ったのは10年前の2006年の夏。4年間の遠距離恋愛の末に一方的な失恋を経験し、今となっては大げさだが、当時の私は本当に世界に絶望していた。

冴えない・もてない私にできた初めての恋人で、20歳そこそこの見識の狭い子供だった私にとって、累積30日間くらいしか会わなかった恋人はとても大きな存在だった。

一緒に生活するために高校を卒業してから2年かけてお金を貯めて、それがようやく目標額に達した直後に一方的に別れを告げられた。長年の目的を見失い毎日毎日死にたいなあと思っていた失意のどん底にいた頃、ちょうど「ペルソナ3」が発売した。それが出会いだ。

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10年前

春先に失恋してから2ヶ月弱が経過していたが、目標を失った私は仕事を辞め、家に引きこもっていた。「あの時ああしていれば」という無限に押し寄せる後悔に苦悩し、丸一日ベッドの中で頭を抱えて苦しんでいる時もあれば、現実から逃げるために手当たり次第にひたすらゲームをプレイしたりもしていた。そんな時に出会ったのが「ペルソナ3」で、それは私にとって本当に素晴らしいゲームになった。

恋人とは高校2年生の頃偶然に知り合い、それから4年間ずっと遠距離恋愛だった。

私は東京、恋人は札幌。およそ1200㎞という距離を超えることは高校生とって簡単ではなく、日々アルバイトに勤しんでは、数ヶ月に1度彼女を家に招いたり、自分が札幌に飛んでほんの2~3日の僅かな時間を一緒に過ごしていた。

デートもしたい、全力でカッコつけたい、場合によっては宿泊費もかかる…なんやかんやで1回会うのに15万円くらいだったか。社会人の今となっては非効率きわまりないとは思うのだが、自分で住む場所を決める力がない高校生にとっては、自分の恋人のためにできることはそれくらいしかなかった。それが高校を卒業し、大人になり、ようやくお金が貯まったというところでの…失恋だ。あれは正直、10年以上経った今振り替えてみても、本当に堪えた体験だ。

そんな失意の最中に触れたペルソナ3はとにかく素晴らしく、眩しかった。「恋人と手を繋いでコンビニに行く」ことさえ容易ではない、勉強も運動もできず格好悪い私にとって、特別な力を持ち、仲間や恋人に囲まれて過ごすキタロー(主人公の通称)を通じて経験するゲーム内の1年間は、現実の自分が生きている恋人を失った世界とは正反対の素晴らしい世界だった。

その世界に私は没頭し、無職だったこともそれを後押しした。

不規則な時間に眠りから目覚めては、ベッドから出た足で自室のテレビとPS2を起動し、トイレ以外は食事も画面を眺めながらプレイして、睡魔が限界になったところでベッドに倒れ込み死んだように眠る。

理不尽とも思える全滅を何度も経験し、様々な登場人物との絆を育み、かつて恋人を抱いた6畳の自室で現実からひたすら逃避した。

ほどなくして世界を救い、現実に帰還。あの時、その後の私の人生がペルソナ3によって変化した訳ではないと思うけど、それでも一時の気持ちの安らぎを私に与えてくれたことは確固たる事実だと思っている。

それから10年

2016年9月15日、ペルソナシリーズ最新作の「ペルソナ5」が発売した。奇しくも、それは私が家を買う前日だったので、勝手な縁を感じている。

最高のコンディションでプレイするために年末年始に13連休を用意し、それまで公式サイトすら見ず徹底的なネタバレ回避。そうして訪れた12月末からプレイを続け、1月末にクリアするまではこのブログの更新もしなかった。

最高だった。

正に、私にとって10年に1本の名作。これほどの素晴らしい体験をさせてくれるゲームは本当に10年に1度レベルだと思う。それはもちろん、上記した私の経験からくる思い入れによるところも大きいだろうが、本当に本当に素晴らしくて、開発者に感謝の念を抱いた。

ペルソナ3と出会った頃の私はボロボロだった。親や兄弟がいなければ、本当に自殺していたかもしれない。

それから10年経った今、あの時の私からすれば想像もつかないだろうが、人生の半分をやっても良いと思える女性と出会って結婚し、家を買い、数ヶ月後に父親になる立場だ。

10年という歳月は本当に長かった。残念ながら、ペルソナ3をやっていた頃に感じた高校生活の懐かしさは忘れてしまったが、意識低いおじさんとしてなんとかかんとかこの世界で生きている。当時の私にとってこの世界は本当に壊れて絶望しかない世界だったが、今は掛け替えのない世界だと思う。

ペルソナ4から5までは実に8年も待つことになったが、P4GやP4U、ペルソナQなどのシリーズによって、この10年の私の人生の傍らには常にペルソナがあった。P3Mが公開された時は心が震えて、かつてのリベンジのように妻と3人で4作とも見に行った。私につられて、今では妻もペルソナファンだ。RPGであるペルソナ5を130時間かけてクリアする私の横にぴったり張り付いて、一緒にジョーカーとなって世界を救ってくれる妻も珍しいだろう。

これから10年

ペルソナ6や7が出るのはいつだろうか。その頃私の人生は、いったいどうなっているだろう。

まあ、どうなっているにせよ、多分その頃も今私がこうしているように、この今や過去に思いを馳せているんじゃないかなあ…なんてことを、妻のいない平日の夜、酒に酔いながら思うおじさんであった。

ペルソナ5は、私がこれまでに数え切れないほど救ってきた世界の中で最高の世界だった。

アトラスはこれからもペルソナというブランドを大切に育てていってほしい。ゲームってのは生きるために必須ではないけど、人生に潤いを与えてくれる。

ペルソナは間違いなく、私の人生を充実させてくれる最高のゲームだ。今後もそうであると信じている。

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